ご挨拶

ご挨拶

第47回日本臨床細胞学会近畿連合会学術集会

 学術集会長 南口 早智子

 この度、第47回日本臨床細胞学会近畿連合会学術集会を京都臨床細胞学会が担当させていただくことになりました。COVID-19の感染拡大は収まらず、未だ日本でも世界でも感染者は減少、増加を繰り返す状況ではありますが、昨年度、奈良臨床細胞学会はこの厳しい状況の中で現地+WEB開催というハイブリッドでの形で見事に開催され、多くの人が参加されました。今年度も昨年度に習い、COVID-19の感染拡大予防に十分気をつけた体制を作りながら、Zoomによるハイブリッド(現地+ライブ、オンデマンド開催)で開催させて頂きたいと存じます。

 京都で開催となる2022年の連合会学術集会でも、従来の形式を基本的に踏襲し、午前中に複数の教育講演、午後に特別講演と教育企画およびスライドカンファレンスという構成とさせていただきました。内容は、基礎からUp to dateまで多岐にわたります。

教育講演では、今年度から再開されたHPVワクチンと子宮頸部細胞診+HPV testの併用健診について、私たちが仕事を行う上で知っておくべき知識やご経験、対策についてご教示いただきます。また、細胞診の教育的内容をということで、甲状腺と尿細胞診のピットフォールについてのご講義をいただきます。技術的な教育講演としては、細胞診検体は遺伝子検査でも非常に有用性が高い検体ですが、最も治療決定に貢献している気管支洗浄検体を用いた遺伝子検査や近年研究テーマとしても多くの論文が出て、発展してきているAI(人工知能)の細胞診領域での応用について、お話いただきます。ワークショップでは、診断、遺伝子検査の両方で活躍するセルブロックの作成法について、非常に興味深い実際的な内容をお話いただきます。そして、スライドカンファレンスでは、教育的な内容を皆様と共に学ぶ機会を設けています。

 学会は現地開催の場合は、実際お会いして、ライブでお話が聞ける非常に良い機会ですが、遠方であったり、お子さんが小さかったりなど会場にいけない事情がある場合には参加の意思があっても参加できないことがありました。しかし、COVID-19感染拡大は、リモートで繋がる、勉強できる方法の発展を私たちに教えてくれた機会でもありました。ライブでも、また学会後の教材として一部は勉強できるような形を作り、以前よりも会員にとって、実際の日常業務に役立つ、より良い継続的な学習の機会となるように、学会の開催に取り組みたいと考えています。